【わ】で始まる用語集
ワヤン・クリッとは?
ワヤン・クリッはインドネシアのバリ島やジャワ島で1000年以上にわたり伝えられている伝統芸能の一つです。ワヤンとは影、クリッは皮を意味しており、皮を加工して作られる操り人形を使った影絵芝居、あるいはその人形そのもののことを指します。影絵芝居はアジアから中東にかけて名前を変えつつも多くの国で演じられており、カンボジアのスバエクは特に有名です。
演じられる物語はマハーバーラタ物語、あるいはラーマーヤナ物語が中心です。仕組みとしては、白いスクリーンを張り石油で出来たランプで演者が演じる光景を照らします。観客はそのスクリーンの反対側から芝居を見るのです。これは、スクリーンがこの世とあの世をつなぐ隔たりを表しているからです。演者はダランと呼ばれ、人形を操りながら物語を進行させ、時には効果音を鳴らす演出も行います。
この影絵で使われる人形は牛の皮で出来ております。皮には小さい穴が開けられており、体の輪郭も表現できるようになっています。また、観客からは直接見ることはできませんが、多彩な彩色も施されています。もともとは寺院の祭礼や儀式で夜通し行われていた祭り事だったのですが、現在ではホテルの劇場でも開催されており気軽に見ることが出来るようになりました。